ぱらぱら本をめくる音だけが無機質に繰り返されていた。2人とも息を殺すようにしてただ隣同士に座っているだけだった。片方は微動だにせずどこか上の空でぼうっとしているだけだったしもう片方も本を手にしてはいるが明らかに文章を全て読み終える前にページをめくり続けていた。時計の針は静かに動く。けして心地よい空気ではないのに不思議とおかしな焦燥も生まれなかった。「聞かないの?」ぼうっとしていた方がふと沈黙を破って問うた。「聞いたら答える?」ページをめくる手を止めもう片方がそう聞く。「さあ…」と自嘲気味に笑って曖昧に答えたその人は放り出していた右足をきゅっと抱える。「狡いね」本をめくっていた方はそう呆れたふうな色の瞳をして息を吐く。喉の奥で笑いながら足を抱えた方は半分以上ページが進んだ本を相手の手から取り上げて自分でぱらぱらとめくった。「そんなこと言わないでよ。知ってたでしょ」
「苦しいの?」
本を取り上げられた方が床に目を落として聞いた。ぱらぱらページをめくる音が途絶える。ぱたんとそれを閉じ、ひとつ大きく息が吐かれた。
「…さあ」
閉じられてしまった本をその手に返されてその人は一言、狡いよと呟いた。
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ケータイがよぼよぼでケータイからついったに呟くことが困難を極めているためPCからついったを使っているんだけどPCからならブログ使うのと大して労力変わんないんじゃね、と思ってブログにプチ里帰り中(?)
新しいケータイにしたらまた、ついった手軽!最高!君しか見えない!とかって感じでついったに引きこもるフラグでしかありませんね
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