時計の針がひとつ動く。もうすぐ彼がやってくる。白い城に一人ぼっちな私のことを憐れんで甘いホットココアを持ってくる。孤独には慣れてしまったから平気なのと今日こそ彼に言わねばならない。だから早く会いたいと思う自分は狡い。いっそ息を止めてしまおうかしら。眠ることも本を読むことも積み木を積むことも窓の外を眺めることも全部、ぜんぶ試してしまった。今まではそれで綺麗に治ったのに。時計の針がまたひとつ動いた。ああ、ああ、しあわせなのは、つらい。
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幸せなのが辛いというのは贅沢かもしれませんね。
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